井の頭バードリサーチとは

 「井の頭バードリサーチ」は井の頭公園周辺の自然観察者約80名で構成されている自然観察グループです。鳥類を主体に自然観察を楽しみながら、それを記録に残すことで環境を護るためのデータ蓄積にする活動をしています。
 1.365日毎日鳥類相モニタリング
 井の頭公園および近接エリアでの観察種全種を365日毎日記録しています(モニタリング)。
毎日の記録の蓄積は鳥類観察を楽しみながら、地域の環境の重要性を裏付け、
この地の自然環境を護る基礎作りとなっているほか、国境を越えて季節移動する種の変化をも把握できるため、間接的に海の向こうの環境の変化を監視する力にもなっています。今までに確認された種は133種、その内環境省のレッドリストに含まれる希少種が10種も確認されています。井の頭公園の環境が生物多様性保全上重要だということをデータが証明しているわけです。
 毎日=高頻度の観察記録は開発に付き物の形式的な環境調査(環境影響評価)とは比較にならないほど精度が高く、鳥類の季節移動の動向や年毎の傾向、猛禽類の生息状況、希少種の発見など多くの知見が得られています。
各人の観察をメーリングリストで情報共有することで記録をまとめています。
楽しみながら、それが環境を護る力になる。これが鳥類モニタリングの醍醐味です。

 2.井の頭カモセンサス
 毎年カモが飛来する9月からほぼ全て飛去する5月まで月に一回カモの全数を調査しています。その意義は鳥類モニタリングとほぼ変わりませんが、より水辺環境に特化した活動であり、数字の伴う科学的な調査です。今、池のカモの状況は餌やり自粛によって大きく変わっています。具体的にどの程度変わったのか?前年までのデータが具体的な議論に有効になります。
 他にも公園整備に関する管理者への働きかけ、井の頭池の餌やり自粛運動や外来種駆除活動での協働、猛禽類保護のための調査、他地域での探鳥会など地域の環境保全も含めて精力的に活動しています。

3.セミの抜け殻調査
 2008年、井の頭公園でもクマゼミの鳴き声を聞きました。地球温暖化の足音が 聞こえてきました。これを受けて会では2009年よりセミの抜け殻の調査を開始することにしました。調査はセミの抜け殻調べ市民ネットの調査基準に則って7月~8月に3回の調査を実施します。調査は5年、10年と続けて種の構成、数の趨勢を分析することで井の頭公園の環境の健康診断、クマゼミの動向をモニタリングしようという狙いがあります。

○参加希望の方へ
 この地で野鳥観察を楽しんでいる方で、観察マナーを守れて(餌付け・ヤラセ禁止、ストロボ使用禁止、鳥の音声使用禁止、追いかけまわさない、私有地や柵の中に入らない、譲り合う、など)、重要な情報に関して管理できる方であればどなたでもメンバーになれます。特にご自身の観察種の報告をしていただける方、鳥観を楽しむだけでなく環境保全に取り組みたいという方は大歓迎です!

 グループの活動に参加ご希望の方は代表の高野丈joe@birdimages.jpまでご連絡下さい。

会の沿革

2005年
毎日モニタリング開始(08月28日)井の頭かんさつ会の下見から毎日の鳥類相観察が始まった
2006年
カモセンサス開始(1月)冬季のカモのカウント(月一回)を開始
会の名称決定(04月16日)グループの名称を「井の頭バードリサーチ」に決定
メーリングリストスタート(09月12日)毎日の鳥類相記録の礎となるメーリングリストをスタート
2007年
餌やり自粛CP開始(03月01日)環境汚染の原因となり、鳥類の正常な繁殖を阻害し、野良猫などに襲われる原因となる餌やりを禁止するキャンペーンを開始
外来種駆除活動開始(6月)
全種記録開始(9月1日付記録より)鳥類相全体の変化を把握するため全ての種を記録開始
2008年
外来種駆除大作戦(04月20日)NPO生態工房、東京吉祥寺ライオンズクラブ、東京都西部公園緑地事務所と協働で外来種問題に関するイベントを共催
外来種駆除大作戦II(10月05日)外来種問題に関する協働イベントの第二弾を共催
2009年
セミの抜け殻調査正式スタート(7月)クマゼミの確認が相次いだため、それまで非公式な調査にとどまっていたセミの抜け殻調査を会の公式調査としてスタート
2010年
井の頭公園西園整備計画に提言(6月~)西園が拡張整備されるにあたり、今までの調査結果に基づいて生物多様性保全上好ましい用途(緑地帯の拡張)を提案
2010.07.03-04 NACS-J主催「市民調査全国大会」で当会の活動を紹介しました。
2010.7.30 東京都・三鷹市による井の頭公園西園整備計画(案)の説明会・意見交換会が朝日新聞に掲載され、代表 高野丈の「井の頭公園を考える会」としてのコメントが掲載されました
活動開始5周年(8月28日)
井の頭公園西園整備計画の修正案が発表される(9月)毎日モニタリングに基づく科学的根拠に裏付けられた意見書が評価され、予定地の約1/3が雑木林と草原環境に計画変更
2010.11.05 多摩の生物多様性シンポジウムを担当。
2010.11.12 雑誌「東京人」12月増刊「井の頭公園とジブリ美術館」特集号に代表・高野丈と当会の活動、井の頭公園の野鳥が紹介されました。
2011年
2011.01.29 NHKニュース『おはよう日本』に代表・高野丈が出演しました。

過去の実績

2008年
2008.03.09 金子晴彦撮影、カワウのブラックバス退治が朝日新聞およびバーダーに掲載されました
2008.05.10 代表・高野丈が小学館ビーパル6月号で紹介されました
2008.05.28 井口夫妻が確認したブッポウソウが朝日新聞に掲載されました
2008.06.03 当会の活動が朝日新聞朝刊に掲載されました
2008.07.01 当会の活動が東京新聞に掲載されました
2009年
2009.05.01 鈴木浩克が確認しグループで観察したミゾゴイが朝日新聞に掲載されました
2009.06.23 岡室靖彦が確認しグループで観察したブッポウソウが読売新聞に掲載されました
2009.07.18 温暖化をはかる指標になるかもしれないセミの抜け殻調査を当会で開始するという話題が読売新聞に掲載されました
2009.07.25 2009年第一回セミのぬけがら調査が武蔵野三鷹CATVに取材されました
2009.07.27 当会の活動・セミのぬけがら調査がNHK「おはよう日本」で紹介され、代表・高野丈が出演しました